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18歳の人口が減ってしまう2018年問題について

今回は、18歳の人口が減ってしまう2018年問題についてです。

▼目次

1. 18歳の人口が減ってしまう2018年問題とは?

「2018年問題」と呼ばれているものを聞いたことがあるでしょうか?

冬季オリンピックがある、といったことではありません。

これは教育業界では非常に大きな変化がある年。

「少子高齢化」という言葉は広く知られてきましたが、ついにこの2018年から18歳の人口が大きく減少をし始めるのです。

そう言われると「すでに18歳の人口は減ってきていたはず。

たしかに1992年(205万人)を境に18歳の人口は減少してきていました。

しかしその分を進学率が上がっていることでカバーしていたのです。

定員が確保できない大学へは希望する全員が入学することができるという時代になっていました。

そうして大学や短大、その他の専門学校などは経営を保ってきたのです。

その進学率の上昇も2017年の時点で約80%ほどになり、これ以上の上昇は見込めなくなりました。

そして18歳人口は2018年からさらに減少するという予測と合わさって2018年以降は大学などへの進学率が下降していくというのが2018年問題なのです。

2. 予測される問題、すでに起こっている問題

まず考えられるのは学校の教育機関の倒産です。

すでに2016年には私立大学のうち約4割が定員割れを起こしています。

大都市にある難関校などに人気大学はまだまだ高い競争率をキープしていますが、地方の中堅以下の大学ではかなりの割合で定員割れが起きているのです。

その結果、希望する学生はほぼ無条件で合格できるようになり、受験生にとってはメリットと感じているかもしれません。

しかし実際には基準としている学力に到達していない学生も入学していることになり、学力の低下が顕著に表れてきています。

すでに起こっている問題としては「生徒の囲い込み」があります。

高校三年生の動きを見ていると「あれ?」と感じることがあります。

高校三年生はいつでも進学先を決定させてしまうことはできません。

就職の場合でも9月の中旬に一斉に採用が行われます。

進学の場合は8月1日以降でなければ出願ができない決まりです。

また、本格的な試験や面接などの選考もそれ以降でなければ行ってはいけないというルールがあります。

そのため進学に必要な「調査書」も8月以降でなければ出すことができません。

しかし近年、6月、7月ごろに生徒が担任に「調査書が欲しい」と言ってくる現象が起きています。

これは6月や7月ごろに行われている「説明会」で「進路相談」という名目で実質的な「面接」を行ってしまい、合格を約束してしまうということから起こっているからです。

もちろんその時期に「面接」を行ったり「合格」を決定することはルール違反になります。

そのために大学や専門学校などは「相談」という形をとって「合格内定」のようなものを出すのです。

それを受け取った生徒が担任に調査書の発行を求めてきているのです。

あきらかにグレーゾーンな取り組みのように感じられますが、大学や専門学校も生徒数を確保するために手段を選んでいられないという状況になっているのでしょう。

3. 2018年問題に対する大学などの取り組み

それぞれの大学は生徒を集めるために色々な手法をとっています。

例えば、「施設、校舎、設備の充実」です。

ある程度の資本を持っている大学では常に新しい校舎を建てていたり、最新の設備を導入していたりします。

西日本一の受験数を誇る近畿大学では校舎の建て替えが毎年のように行われており、新校舎の設備は素晴らしいものです。

こういった最新の設備を整えることで生徒を集めるということを行っています。

「学部や学科の編成、新設」もあります。

近年生徒の目を引くためか、かなりの勢いで「カタカナ」の学部が増えてきています。

「メディア~学部」「グローバル~学部」「ソーシャル~学部」「キャリア~学部」「~デザイン学部」などです。

一見何を学ぶかわからないような名前がついていることもあります。

名前を変更するだけなら大学にも大きな負担はかからないために取り組みやすいのかもしれません。

ちなみに学部は新設するときはかなり面倒な手続きが必要になります。

文部科学省の許可も必要ですし、新しい学部を創設するときは新しい校舎を建設しなければいけないために資本がある大学でなければ手を出しづらいのです。

「入試制度の変革」などは有名なものです。

賛否両論の「AO入試」などは典型的なものと言えます。

これは学力試験を行わずに小論文や面接で合格を決めてしまうものです。

他にも「指定校推薦」があります。

これは学校同士のつながりのなかで数名~数十名推薦する生徒を選び、面接や評定などで合格を決めます。

学校側が推薦した生徒はよほどのことがない限りは不合格にはなりません。

こういった入試は学力試験が必要となる「公募制推薦」や「一般入試」よりも早い時期に行われるために「学力試験は受けたくない(勉強したくない)」「早い時期に進学先を決めたい(安心したい)」生徒たちにとっては非常に魅力的にうつります。

しかし学力試験を受けていないために合格後、学力試験を受けて入学してきた生徒たちとの学力差が問題視されることが多く、「授業についていけない」「単位が修得できない」というトラブルが頻繁に起こっています。